自閉症アスペルガー症候群とは
アスペルガー症候群とは自閉症の一つの症状とされており、知能や言語に遅れが見られないものの社会性に支障が出やすいと言われる広汎性発達障害のひとつです。積極奇異型アスペルガー、受動型アスペルガー、孤独型アスペルガーの3種類の分類されており、積極奇異型は知らない人へも馴れ馴れしく話してしまったり、声が大きかったり、人と会話するときの距離が異常に近いなどの特徴があります。受動型は積極性がなく、自分から第三者と関わろうとはしません。誰かに話しかけられれば会話には応じますが、目立つようなこともなく、話しかけてもそっけない態度などで終わってしまうようです。孤独型は第三者との関わりを受動型以上に嫌い、一人でいることを好みます。また一人でいることに苦痛を覚えないとも考えられているようです。
アスペルガー症候群の共通点
アスペルガー症候群に共通しているのは、主に言葉の裏が分からない(皮肉を言われても理解できない)、会話の中のあいまいな表現を汲み取れないなどのようです。また、名前を呼ばれないと自分が呼ばれていることに気がつかない子どもも多く、街で友達が見かけて声をかけたのに無視された、と誤解を招いてしまうようなケースもあるようです。また曖昧な表現で指示を出されると混乱してパニックになってしまうこともあります。先生から「今朝は何を食べたの?」と具体的に聞かれれば答えられるものも、「朝は何をしたの?」と曖昧な質問になってしまうと、本当に朝から起こったことを順番に答える子どももいるようです。どの場合に於いても子どもたちは相手を馬鹿にしているわけではなく、真剣に答えているのです。アスペルガー症候群の子どもには、あいまいな言葉で指示を出さない、いつ、どこで、誰と、どうして、何を、どのようにしたかをはっきりと明示することで混乱は防ぐことができます。また、冗談も通じにくいので会話のときには無駄な言葉を挟まずに伝えたいことを単刀直入に話してあげることが大切と言われています。中には比喩を用いた表現を苦手とする子供もいます。「手を貸して欲しい」だと、どのように自分の手を貸したらいいのか分からずにフリーズしてしまう、などです。一方で、自分の興味がある分野には普通の子ども以上の関心を示すため、特定分野で天才的な能力を発揮する子どももいます。現在、作業療法士や臨床心理士などが一緒になり、行動療法や心理療法で行ってはいけないことを教えるなどが行われてはいますが、アスペルガー症候群の症状そのものも子どもの数だけ違うため周りの大人や保護者、クラスメイトの理解と協力がとても大切になってきます。